私が開院した理由

2001年、二十数年間勤めた会社を退職

私は、休日は登山やテニスを楽しむ平凡なサラリーマンでした。

そんな日常に何か物足りなさを感じていた時、
転勤で単身赴任することになりました。

そもそも、単身赴任をすることになったのは、
妻が鍼灸学校の学生だったからです。

元来身体が丈夫で、健康の事を考える事はなかったのですが、
妻が学んでいる東洋医学には興味があり、将来二人で
鍼灸院を開院できればと考えていました。

そんな折突然の転勤、
これからの人生を考え直す貴重な時間と機会を得たのです。

そして転勤から一年後、一大決心をしました。

会社を退職し、妻と同じ鍼灸師の道を選ぶことにしたのです。

 

鍼灸学校へ入学

私が入学したとき、妻はまだ鍼灸学校の2年生でした。

結婚して初めて無職、しかも二人とも学生という、
不安と希望に満ちた学生生活が始まったのです。

それから3年、就学期間にたくさんのことを学びました。

解剖学・生理学・病理学・臨床学などの現代医学の基礎知識、
鍼灸学校ですからもちろん東洋医学の基礎から臨床まで、
40科目以上のカリキュラムと臨床のための実技を学びました。

そして3年間に学んだことは、医学の知識だけではありません。

現在の医療行政が抱える多くの問題点についても
気づかされる3年間でした。

 

鍼灸治療の可能性を再認識

日本は世界一の長寿国ですが、平均寿命と健康寿命の差が主要国で
一番大きく、寝たきり老人の数が世界の中でもっとも多い国です。

その原因の一つが、現在の病院医療にあります。

現在行われている医療は、いくつかの症状があっても病気により
診療科が異なり、全身を診る総合診療は少ないのが現状です。

そして大半の医療機関が、訴えている症状の改善だけを行う
対処療法を行っています。

その点、東洋医学は総合的に患者さんの症状や原因を診て、
根本から身体を改善していきます。

また、東洋医学には「未病治」という考え方があります。

「未病治」とは、未だ病気でないが決して健康とは言えない
状態を治し、健康寿命を伸ばす予防医学のことです。

鍼灸治療に限りない可能性を感じ、現在の医療業界が抱える
多くの問題に対し、鍼灸師は何ができるのか、深く考えた3年間でした。

就学期間も終了し、無事に国家試験にも合格して、
治療家として一歩を踏み出しました。

 

鍼灸院の開院

平成16年6月、地域医療への貢献を目指して、
渋谷区本町に現在の鍼灸院を開院しました。

開院後も良い治療を目指し、研修会等に出席して
学びを深め治療技術の研鑽に励み続けていましたが、
日々の臨床を重ねていくうちに、針の効果を更に
高められないだろうかと考えるようになりました。

そこで、難治性の疾患と根本治療を行う治療法の
習得を目指すことにしたのです。

先ず、根本原因を追求して根治できる治療法を探しました。

鍼灸治療だけでなく、気功、整体などあらゆる治療法を
探しましたが、納得できる治療法は見つかりませんでした。

 

患者さんが半減した理由

そんなある日、偶然手に取った冊子で、局所の症状を
取るだけでなく、根本原因から治す現在の治療法を知りました。

早速弟子入りして、日々技術の習得に励みました。

厳しい修行の結果、1年後には臨床に応用できる
レベルまで達することができたのです。

そこで、徐々に臨床に応用していきましたが、
それまでの全身治療に局所への対処療法を加えた
治療法との違いに、大げさではなく患者さんは半減しました。

開院以来の廃業の危機と言ってもいいかもしれません。

 

治療効果を実感できる新しい鍼灸治療

それでも私は諦めませんでした。

なぜなら、新しい鍼灸治療は、従来の治療に比べ
確実に治療効果を実感することができたからです。

新しい治療法は、局所の対処療法はまったく行いません。
温灸治療の気持ち良さもありません。

それでも少しずつ患者さんは戻ってきました。
そして、今では多くの患者さんから喜ばれています。

ようやく自分の理想とする治療法に出会うことができました。
鍼灸学校時代に考えていた、地域医療への貢献という目指す形になりました。

私は、これからも根本治療に徹し、多くの皆様の
お悩みに応えてまいります。

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